お歳暮ガイド
お歳暮の勘定科目は接待交際費?仕訳例と経費処理の注意点
取引先に贈るお歳暮は、一般に接待交際費で処理します。ただし、帳簿の科目と税務上の扱いは同じではありません。誰へ何のために贈ったかを記録し、事業の形態と実際の支出に沿って処理しましょう。
内容確認:2026年10月15日
取引先へのお歳暮は、事業上の関係を維持するための贈答なら、接待交際費として記帳するのが一般的です。私的な贈答は事業経費にできません。また、接待交際費に計上した金額が、法人税の計算で全額損金になるとは限りません。
取引先への贈答は接待交際費が基本
国税庁は、取引先など事業に関係する相手への贈答のために支出する費用を、交際費等の範囲に含めています。年末の挨拶として特定の取引先に贈るお歳暮も、その実態に沿って判断します。
帳簿で販売促進費など別の名称を使っても、税務上の分類が自動的に変わるわけではありません。贈答先と取引関係、目的、金額を残し、使用する科目は会社や事業の会計方針に合わせてください。
税込経理の仕訳例と送料の考え方
次は、取引先への贈答品33,000円を購入して交付し、同日に事業用の普通預金から支払った場合の単純な例です。税込経理とし、消費税の区分や未払計上などは省略しています。実際の税区分は商品や経理方式に従って設定してください。
購入と贈答の時期が異なる場合や、クレジットカードを使う場合は、この例をそのまま使えません。贈答に直接かかる送料・包装料も含めて目的が分かるよう管理し、科目を分ける場合も贈答に伴う支出であることを記録しましょう。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 接待交際費 | 33,000円 | 普通預金 | 33,000円 |
法人の損金と個人事業主の必要経費は分けて確認
法人では、交際費等に損金不算入の制度があります。一定の法人向けの特例もありますが、資本金や資本関係、事業年度、会社全体の交際費等によって適用が異なります。科目を接待交際費にしたことだけで、全額を損金にできると考えないでください。
個人事業主の場合は、相手や支出理由からみて、事業のために通常必要と認められる範囲の費用が必要経費になります。親族や友人への私的なお歳暮は対象になりません。仕事上も関係がある相手なら、業務上の目的を明確にし、私用分と区別できる記録を残します。
1万円以下の飲食費の基準はお歳暮に使えない
法人の交際費等では、一定の要件を満たす一人当たり10,000円以下の飲食等の費用を、交際費等から除く制度があります。しかし、食品の詰合せを取引先へ贈るお歳暮は、その飲食等に当たらないと国税庁の通達で示されています。
したがって、1件5,000円だから、部署に10人いるから一人当たり少額だから、という理由で、この基準をお歳暮の贈答品に適用することはできません。会食に関する制度と、持参・配送する贈答品の処理を混同しないようにしましょう。
広告宣伝費や福利厚生費との違い
不特定多数に宣伝目的で配る通常のカレンダーなどと、特定の取引先に贈る食品ギフトでは、判断の前提が違います。社名入りだから必ず広告宣伝費、従業員全員に配ったから必ず福利厚生費、とはいえません。従業員への支給は給与に当たる場合もあるため、内容と支給方法を確認してください。
商品券を贈る場合は、食品などの購入と同じ消費税処理にはできません。購入・保管・交付の時点、券種、交付先を管理し、経理担当者や税理士に確認します。単なる贈答と、寄附、広告宣伝、従業員への支給を、相手・目的・配布方法で区分してください。
領収書だけでなく贈答先の記録も保存する
購入した証拠だけでは、事業との関係が分からない場合があります。領収書・請求書に加えて、注文番号、品名・数量、贈答先、取引関係、贈答日や支払日が対応するよう記録しておくと、月次処理や翌年の手配にも役立ちます。
京急ストアの利用ガイドでは、領収書はマイページの注文履歴から発行できると案内されています。注文の明細や社内の承認記録も併せて保存し、科目・消費税区分・計上時期は自社の会計方針に従って確認しましょう。本記事は2026年10月15日に確認した国税庁の情報に基づく一般的な説明です。個別の処理は経理担当者または税理士へご相談ください。
よくある質問
一件10,000円以下なら交際費から外せますか?
お歳暮として食品の詰合せを贈る場合、一人当たり10,000円以下の飲食等の基準は適用できません。贈答品と会食の費用を区別します。
個人事業主が親戚へ贈った品も経費になりますか?
私的なお付き合いの贈答は経費にできません。事業上も取引がある場合は、業務に必要な支出かを確認し、私用分と区別できる記録を残してください。
会社名入りの品なら広告宣伝費ですか?
会社名の有無だけでは決まりません。不特定多数への宣伝目的か、特定の取引先への贈答かなど、実態で判断します。
